一見して難しそうな長い英文でも実は基本的な構成は意外と単純。
つまり、どのような文章でも「分解と分類」をすることで、文章がどのように構成されているか理解できるようになります。
ただ日本語と違い英語は「語順」が非常に重要な言語であると言えます。
語順とは文章上の単語の並び順のこと。
英語の場合はこの単語を並べる順番が違ってしまうと、全く意味を持たない文になったり、内容自体が変化してしまうのが大きな特徴。
I bought a book.
↓
意味不明な文)
I a book bought.
Do you like an apple?
↓
意味が変化する文)
You do like an apple.
そして、そんな英語の文で重要になるのが「分解」の基となる4つの主な要素と「分類と語順」の基本である5文型になります。
英文の4主要素
S = 主語/Subject
V = 動詞/Verb
O = 目的語/Object
C = 補語/Complement
これら4つの要素を組合せた型が次の英語の基本5文型と呼ばれる文法です。
1文型:SV
2文型:SVC
3文型:SVO
4文型:SVOO
5文型:SVOC
これらは英文の絶対的なルール。
どんな複雑で長い英文でも分解して分類すれば、基本的にこの5つの文型のどれかに当てはまります。
つまり、この基本5文型さえシッカリ覚えておけば、どんな英文でも理解できるってことです。
ちょっと難しそうですが、あまり深く考える必要はありません。
この5文型を習得するコツは単に英語のルールとして「要素別で語順を意識する」だけで大丈夫。
ルールですから、考え方は交通ルールと同じです。
正しく英語を使うには、まず基本ルールを知る。
大切なのは感覚的に5文型を覚え、交通ルールのように無意識に認識できるようになり、間違っている場合は違和感を感じ取れるようになることです。
次の5文型をシッカリ身に付けさえしていれば、どのような英文でも感覚的に「語順から分類」して推測や意味を正しく理解できるようになりますよ!
英文の5文型は語順を意識して覚えよう
英単語の暗記とは違い、英文の文型は5つの型「要素別の語順のパターン」で文章を分類することで、その文の内容を正しく理解するのが目的です。
次の各要素と語順に意識を集中して覚えてみましょう。
S = 主語
V = 動詞
O = 目的語
C = 補語
例)
He named the dog Pochi.( S V O C )
(彼はその犬をポチと名付けた。)
He = S 主語
gave = V 動詞
me = O 目的語
a pen = C 補語
第1文型 S V(主語+動詞)
I eat. (S V)
He smiled.
They laughed.
日本語と違い特別な場合を除いて英文には主体を表す「主語」が必要です。そして、主語や目的語の動作や状態を表す「動詞」。この2つだけで構成されるのが第1文型の「S V」です。
第2文型 S V C(主語+動詞+補語)
I am an adult. (S V C)
She is my friend.
You are a student.
主語と動詞の「SV」に補語である「C」を付けることで、主体の状態について表現できるようになります。つまり「She = my friend」で「S = C」の関係が成り立ちます。そして「V」の部分は主にbe動詞になるのが第2文型「SVC」です。
第3文型 S V O(主語+動詞+目的語)
I have an apple. (S V O)
My friend has a boat.
They have books.
第1文型の「SV」に目的語「O」が付いた形が第3文型「SVO」になります。
目的語の「O」は動詞「V」について表現しており「V → O」の関係が成り立ちます。つまり、第2文型のように「S = C」の関係は成り立ちませんから注意しましょう。
第4文型 S V O O(主語+動詞+間接目的語+直接目的語)
She gave me a book. (S V O O)
I left you a message.
The hotel offers guests a free breakfast.
この型の典型的な形は「S が間接目的 O に 直接目的 O を V する」という意味で「何/誰かに何かを(して)あげる」を表現するのに使われます。Oの目的語が2つありますが、目的語を2つ使える動詞V は種類が限られているので注意が必要です。
第5文型 S V O C(主語+動詞+目的語+補語)
She named her cat Tama. (S V O C)
He is painting the wall yellow.
The warm weather turned the leaves green.
この文型では、第2文型のように補語Cは主語Sにではなくて、目的語Oを対象に説明をしています。よって「her cat = Tama」のように「O = C」の関係が成り立ちます。
以上が英文の基本の5文型です。
最初はちょっと戸惑うかもしれませんが、すべての英文は4つの要素(主語、動詞、目的語、補語)から5つの文型パターンに分類できると覚えておきましょう。
補語 C と目的語 O の違いと役割
ここでちょっと疑問に思うのが、補語 C と 目的語 O の違いについてではないでしょうか?
まず、例文を見てみましょう。
He bought a new bicycle.(S V O)
これは第3文型SVO ですが「買った・bought」動詞V の対象は「新しい自転車・a new bicycle」目的語O になっていますよね。
V → O
(買った → 新しい自転車)
の関係が成り立ちますね。
よって、感覚的に目的語Oは動詞Vとペアで使われる場合が多いと覚えておけば大丈夫です。
次に補語Cですが、目的語Oと違い動詞Vの対象にならないのが特徴です。
そして補語Cの役割としては、主語Sや目的語Oの状態を説明して詳しくわかるよう補ってくれています。
例文を見てみましょう。
My older sister is an English teacher.(S V C)
これは第2文型SVCですが「私の姉・My older sister」主語S は「英語の先生・English teacher」補語Cになっています。
つまり、主語S について詳しく文を補う形で補語Cで説明していることになりますから、
S = C
(私の姉 = 英語の先生)
の関係が成り立ちますね。
次は第5文型SVOCで、目的語Oの状態を補語Cが説明して補ってくれている例文です。
She is painting the wall green.(S V O C)
「壁・the wall」目的語Oを「緑色・green」補語Cで内容を詳しく説明して補っていますよね。
よって、
O = C
(壁 = 緑色)
の関係が成り立ちます。
つまり、
目的語Oとは主に動詞Vの対象となり、補語Cは主語Sや目的語Oを詳しく説明する、と理解しておけば大丈夫です。
英文法の基本5文型のまとめ
どのような英文でも次の主要素をベースに5文型で分類できるようシッカリ覚えておきましょう!
S = 主語(誰/何)
V = 動詞(状態/行動/習慣/時制)
O = 目的語(V → 対象)
C = 補語(説明 = S or O)
1文型:SV(主語+動詞)
2文型:SVC(主語+動詞+補語)
3文型:SVO(主語+動詞+目的語)
4文型:SVOO(主語+動詞+間接目的語+直接目的語)
5文型:SVOC(主語+動詞+目的語+補語)